筋膜・ファシア (2024/03/18)
筋膜という言葉はここ10年ぐらいで凄く認識されたように思われます。
筋膜…筋肉を包む膜?みたいなイメージの人が多いです。(確かに間違いではないですが)
筋膜の中でも深筋膜の中の筋外膜が筋肉を包む膜と考えられています。
しかしながらそれは筋膜の数ある要素の中の1つです。
そもそも筋膜・ファシアは中胚葉由来の結合組織(?)と定義されます。
(私が習った時とは定義は変わってるかもしれません)
簡単にいうと筋肉だけを包む膜ではなく、骨・内臓器官・血管・神経など身体のあらゆる構成要素を包んで、それぞれの場所に適正に位置するよう支えているヤツ。(第二の骨格なんて言われます)
実際には支えてるだけでもなく感覚受容器としても働き、しかも筋線維芽細胞というものの影響により縮んだりもします!!(◎_◎;)
「えっ、めちゃくちゃ重要では?!」めっちゃ重要です。
特に腰背中の筋膜は自律神経の影響も受けます。
なのでストレスで腰が痛いなんてこともあるかもしれません。腰痛の80%は原因不明なんて話も。
▽ここでオステオパシー的にもう少し掘り下げて…
イタリアの超有名な筋膜研究者のステッコ先生の本に
横中隔由来の筋膜なんてものが書かれています。
横中隔は簡単に言うと将来の横隔膜。焼き肉のハラミです。
ハラミと関わりがある筋膜です。
違う言い方では内分泌に関連した筋膜のつながりです。
ホルモンです。←これは焼き肉ではないです。
下垂体、甲状腺、胸腺、心膜、肝臓の膜、副腎の筋膜と生殖腺の筋膜。
頭から骨盤まで繋がりがあります。
僕はよく頭を触る時にこの繋がりに気づきます。(嘘つけ!と言われるかもしれませんが、確かにわかります。特に硬膜、中でも前硬膜帯など詳細すぎるので割愛)
この繋がりは昔からオステオパシーで言われています。
指導を受けたトム先生からも睡眠時無呼吸症候群の説明で聞いたことがあります。
筋膜で有名なアナトミートレインのディープフロントラインと繋がりがあるようにも思います。
▽実際の関連した例をあげます。
●1人目: 半年前から生理がなく、病院で卵巣不全と言われた方。
甲状腺と心電図に問題を指摘されたとのことでした。
詳しい内容は省きますが、骨盤、横隔膜、肝臓、縦隔?、頭蓋のバランスをとって
4回目の施術の際に生理が来ました!と報告がありました。
●2人目: 部活で腰が痛くなった女の子。話を聞くと生理の症状がキツく休むこともあるとのこと。
小児期にはてんかんがあった(今は良くなっている)とのことでした。
腰は数回で良くなり月一回のメンテナンスで来院。
1人目と同じように全体に施術を継続。6ヶ月ほど経った時「そういえば生理痛無くなりました!」と報告がありました。
頭と胸部と生殖器の問題は一見関係ないように見えますが、筋膜のつながりや生理的機能ではめちゃくちゃ関わりがあります!
●3人目: 睡眠時無呼吸、睡眠が浅く3時間ぐらいで目が覚めるという方
上記と同じように施術し脳・神経の統合をしました。
頭蓋を触ると寝る方が多いですが、この方もすぐに爆睡。
初めは心配になるぐらい息が止まってましたが、何度かの施術を重ねて1ヶ月後には施術中の睡眠時に息が止まることは無くなりました。
スマートウォッチの心肺機能も上がったんだとか。
「今では6時間ぐらい寝れるようになり、日常で疲れづらくなった」とのこと。
正直、これらは主観的なもので症状改善に関るかは定かでありませんが、
生活の質が上がる可能性はあると考えてます。
一時期は筋膜で色々わかると言われてましたが、そのブームも長くはないかもしれません。
身体は非常に複雑に絡み合っていて。身体だけでなく、微生物(腸内細菌など)と共存していたりもします。
健康は非常に複雑で、身体だけでなく精神的、社会的要素も重要です。
ドイツのオステオパスのトルステンリーム先生は教えでは健康寿命には
・お金を持ってるか(生活に不自由ない程度に)
・1日に60分ぐらい汗をかいているか
・砂糖取りすぎてないか
が大事とのこと。もちろんストレスも影響します。全て健康の要素です。
オステオパシーはただ施術をすることではなく哲学という立場です。
あなたにとっての「健康」にオステオパシーの考え方が助けになれば嬉しいです。
OMT-LAB 山崎