□オステオパシーとは?
オステオパシー(Osteopathy)は、1874年にアメリカ人医師アンドリュー・テイラー・スティル博士によって提唱された、身体の自然治癒力を活かす自然医学・代替医療の一つです。
症状のある部位だけを診るのではなく、身体全体のつながり(構造と機能の関係)に注目し、「なぜその症状が起こっているのか?」という根本原因の分析を重視します。
□身体・心・精神をひとつとしてとらえる
オステオパシーでは、骨・筋肉・関節・神経・血管・リンパ・内臓・靭帯といった身体の構造すべてを対象にしながら、身体・心・精神のバランスを大切にします。
私たちが本来持っている**自然治癒力を妨げている原因(機能障害や歪み)**を見つけ出し、それを解放・調整することで、根本からの回復を促します。
たとえば「腰痛」を訴えて来院された方に対し、オステオパス(オステオパシーの施術者)は、腰だけに施術をすることはありません。
原因は腰以外の場所にある場合も多く、以下のような要因が隠れていることがあります。
▷内臓の不調(肝臓や腎臓の機能低下)/頭蓋骨や頚椎の歪み/足関節の不安定さ/自律神経の乱れ
症状の出ている箇所ではなく、「本当の原因」を探し、身体全体を調整することで、自然治癒力が働き出し、結果的に腰痛が改善していく。これがオステオパシーの特徴です。
オステオパシーは、1892年にアメリカで医学として認可され、「オステオパシー医科大学(DO)」が設立されました。
現在では、アメリカをはじめ、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど多くの国で国家資格として法的に認められ、医学教育が制度化されています。
一方で、日本ではいまだに国家資格としての認定がなく、一般的な認知度も低いのが現状です。
とはいえ、実は明治〜大正時代には、すでに「オステオパシー的な技術」が日本にも紹介されていた歴史があり、大正9年には『山田式整體術講習録』という書籍が発表された記録も残っています。
▼対応できる症状
オステオパシーは、対症療法ではなく、根本から身体を整えることで症状を改善し、健康維持や予防にも効果が期待できる施術法です。
「どこに行っても良くならない」「原因がはっきりしない不調が続いている」
そんな方はぜひ一度、オステオパシーの施術を体験してみてください。
■よくある症状・お悩み
・筋・骨格のトラブル
肩こり、腰痛、関節痛、猫背、体のゆがみなど
・スポーツ障害・コンディショニング
打撲・捻挫・筋肉疲労、体の使い方の調整など
・内科的症状にもアプローチ
胃腸の不調、便秘、呼吸の浅さ、慢性疲労など
・女性特有の症状と産前産後ケア
月経不順、冷え、骨盤のゆがみ、妊娠中・産後の体調管理
・小児の身体バランスと発達サポート
姿勢や歩き方、夜泣き、落ち着きがないなど
・自律神経・全身の健康管理
不眠、めまい、ストレス、なんとなく調子が悪い、予防ケア
お困りの方は対応可能かご相談下さい。
ブログでも症例を紹介しています。
オステオパシーBlog▼オステオパシーのメインのテクニック
頭蓋オステオパシー(クラニオセイクラル)
1939年にウィリアム・ガナー・サザーランドD.O.によって考案されたオステオパシーのテクニックの一つです。
頭全体は一つの塊ではなく、縫合を離された頭蓋骨が呼吸をするように動いています。
頭蓋の硬さ、動きを観察し筋膜や硬膜・脳脊髄液などの動きをみます。
内臓マニピュレーション
名前のままですが、内臓・その周囲の組織の硬さを改善させるテクニックです。
内臓というとあまりイメージがない方も多いですが、意外と腰痛や肩、膝の痛みの原因に
なってることが多いです。
直接法
関節・組織の硬い方、動きの悪い方へ持っていきそこで優しく揺動をかけたりします。
それでも硬く動かない場合には、少しだけ力を使い短い距離で素早く矯正したりします。
その時、ぽきっと音が鳴ることもあります。
間接法
直説法とは逆で、関節・組織の動きやすい方へ持っていきそこで待ち、動きや歪みを改善していきます。
直説法よりもソフトで優しくとても安全なテクニックでもあります。
マッスルエナジーテクニック(MET)
上記の直接法にも分類されますが、硬い方へ持っていきそこで、患者さんご自身に
軽い力を入れてもらい可動域を広げていくものです。
ストレイン・カウンターストレイン(SCS)
間接法に分類されている時もあったテクニックです。
テンダーポイントと呼ばれる圧痛点を見つけ、その圧痛点がなくなり楽な姿勢に
もっていき動き歪みをを改善させるテクニックです。
このテクニックは、関節・筋肉だけでなく内臓、リンパ、脈管にもアプローチできます。
当院で最も頻繁に使用するテクニックでもあります。
スティルテクニック
オステオパシーの創設者、ATスティルの名前が付いたテクニックです。
複合テクニックにも分類され、初めに間接法の動きやすい方にもっていきその後、
直説法の動きのない方にもっていくテクニックです。
ソフトで間接法よりも短い時間で改善させることもメリットです。
その他
状況に合わせて、筋膜リリース・指圧・鍼灸・推拿・ASTRなども取り入れます。